スイス金融大手UBSが米国で販売した金融商品のリスク説明が不十分だったとして、個人投資家などから194億ドル(約2兆1300億円)分を買い戻すことが8日分かった。複数の米メディアが報じた。日本経済新聞

米金融大手シティグループは7日、ニューヨーク州司法当局などとの和解で、約73億ドル(約8千億円)分の金融商品を個人投資家らから買い戻す方針を決めたことで・・・。リスクがあるにもかかわらず「安全で、現金のように流動性が高い」と説明して販売した疑いがあるとして州司法当局などが調査していた。朝日新聞 - 2008年8月7日

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UBSやシティが金融関連商品の販売時に適切なリスク説明のインフォームドコンセントを行わなかったとして、顧客から多額の買戻しをするとのニュースである。シティのケースの場合、別枠で総額1億ドル(約110億円)の制裁金も課せられることになった。

このようなニュースに接するたびに、いかに日本の金融システムが顧客不利の環境で構造化されているかを痛感せざるを得ない。

私たちがみずほ銀行から受けた提案融資のケースの場合、商品販売時にリスク説明は皆無に近く、借金による相続税対策としての効能ばかりを強調された。ましてや「自宅を維持するための相続税対策」によって、逆に家を手放さざるを得ない可能性についてなど、全く言及されなかった。当時の銀行がそのようなリスク説明をするはずがない。(それは金融庁も十分承知しているはずである。)

地価はあがる、ということをすべて前提にして商品説明は行われた。リスク説明はなかった。それを信じ決断した私たち顧客にも責任は確かにある。しかし、銀行の責任はゼロなのか?だが、本当にゼロで通るのが日本の銀行をめぐる社会状況なのだ。司法も行政も立法もそれを許すのである。

日本における銀行融資のシステムがどれほど顧客にとって危険であるか、是非読者に知っていただきたい。金融商品取引法にも、貸金業規制法にも銀行融資を規制する条文はないのである。(もちろん、銀行ロビーが法案策定過程で潰すのである。)

このような銀行融資に関する実効的規制のほとんどない無法状態は、金融消費者である国民にとって悲劇的な状況だといわねばなるまい。