100万人を破滅させた大銀行の犯罪』椎名麻紗枝(弁護士・「銀行の貸し手責任を問う会」事務局長)著 (講談社、2001年)

 バブル期に、金余り現象の中で融資先獲得に躍起となった銀行から、相続税対策を名目に、変額保険、不動産投資などの提案融資を押し付けられた多数の個人が、その後のバブル崩壊で銀行の提案した返済スキームが破綻するや、銀行に彼らが長年働いて取得した自宅をはじめ、すべての財産を根こそぎ奪い取られようとしているのに、国は何ら救済しようとはしていない。自らバブルを煽り、バブルに狂奔して経営危機を招いた銀行に対しては、国民の血税で経営危機を救っているのに、だ。

 この銀行の提案融資に利用されたのが、80年代後半より大手都銀から売り出された不動産担保の「大型フリーローン」であった。大型フリーローンは、従来、銀行の融資の鉄則とされていた「融資使途の確認」「過剰融資の排除」が取り払われ、不動産の担保さえあれば、資金使途も年収も問わないというものである。銀行は、大型フリーローンにより株投資、不動産共同投資、ゴルフ会員権など、投機目的にみさかいない融資を行った。

 サラ金では、貸金業規制法第13条で過剰融資が禁止されているのに、銀行にはこれを規制する法律がない。



同教授(松本恒雄一橋大学教授)は、先物取引、証券取引、銀行取引の金融被害のうち裁判所が課する業者への注意義務は先物取引にいちばん厳しく、次に証券取引で、銀行取引に関しては非常に甘いことが特徴であると分析している。

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