ノーベル経済学賞受賞者で今、世界で最も影響力のある経済学者の一人ジョセフ・E・スティグリッツが、サブプライムローンに関して論じている。

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「サブプライムローンとは、金融市場に関する知識を欠き、十分な情報も持ち得ない人々に融資をする、一種の略奪的な融資と言ってもいいだろう。」

「規制当局の人が知らん顔をしていれば、そのうちに問題が消えるだろうと希望するのはまれなことではない」

「しかし、何といっても、いちばんけしからん主張は、家を所有できなかった貧しいアメリカ人たちが家を持てるように、我々がサービスを提供したのだという「言いぐさ」だ」


日本のバブル期の融資も全く同じ構造を持っている。私たちがみずほ銀行から受けた被害ケースの場合、当時融資先に困っていた銀行は、知識に圧倒的な格差がある顧客に対し、相続税に関する不安をあおりながら、相続税対策をするべきだと提案してきた。リスク説明は全くせずにである。そうして無職の高齢者に土地があるというだけで何億円もの融資をしたのである。そしてバブル崩壊後、「あれはバブルでした」と言って、国民の税金で救済されておきながら、自宅を競売にかけて融資を回収してきたのである。

大蔵省(当時)はノーパンしゃぶしゃぶで銀行監査の役割など全く果たしておらず、金融庁も不良債権処理を「貸し手責任」を問わずに推進した。責任者は誰一人罪を問われなかった。

上のスティグリッツの発言を、私たちに融資をした支店長の言葉で言い換えたい。
「しかし、何といっても、いちばんけしからん主張は、競売によって債権回収しようとしたにもかからず、家を維持できるようにと提案してきた銀行が「お客様の身になって誠心誠意やったこと」だという「言いぐさ」だ」

全ての消費者にとって、このような顧客軽視の銀行がのさばることはマイナスでしかない。
ブッシュ米大統領は6日、低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題に対応するため、ローン金利水準の凍結などを盛り込んだ新たな対策を発表。

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ロイター 
AFP
朝日新聞 

アメリカでは政府も金融機関も何とか、被害者たちが家を手放すことのないように対策をしているのである。一方、日本ではバブルの個人被害者には一切の救済措置が無かった。そしてみずほ銀行は、私たちから家を奪うのがどれだけ正当なのか、それを国会議員などに一生懸命説明して回っているのである。「家を守りましょう」と私たちに言ってきた過去は、全く棚に上げてである。

私たちが銀行から受けた融資は「大型フリーローン」という元金据え置きの利息だけ返せばいい、というタイプのものだった。そして、名義人の死亡時に元金を返せばいいのだ、と。それが相続税対策になるのです、と説明を受けた。

そして私たちは生活を困窮させながらも、利息は返し続けていた。そうやって1億4千万円を20年かかって返済してきた。しかしみずほ銀行は、名義人の死亡時という最初の説明とは違い、2003年ごろから元金の返済を要求してきた。そして結局、「あれはバブルだったから」という一言だけで自宅を競売にかけてきたのである。

国民の税金を3兆円投入され、今では奇跡的な業績回復をし、提携企業には大規模債権放棄をしておきながらである。それでもみずほ銀行は何の説明もしなかった。

そもそも私たちはローンで家を買ったのではない。1920年代から持っていた土地である。そこを銀行は「守りましょう」、そのためには銀行の提案する相続税対策として借金をしないと大変なことになります、そういってきたのである。それでもみずほ銀行は説明責任を完全放棄したまま自宅を競売にかけたのである。



カテゴリー: 銀行被害
投稿者: webmaster
ご報告

先月末、みずほ銀行側の申請を受け、裁判所から競売を取り下げる通知がありました。とりあえず、90歳になる名義人は新年をこの家で迎えることができることになりました。

しかし、みずほ銀行は自身のした行為に対する説明をまだ一切していません。また問題がこれで解決されたわけでも全くありません。みずほ銀行が国民の税金で救済されたという過去を踏まえ、自身の社会的・道義的責任を認識し、私たちの件および同様ケースについて誠実に対応し、今までの説明責任を完全に放棄した姿勢を改めるよう求めていきたい。

私たちの被害はまさに氷山の一角に過ぎないのであり、この問題に銀行がどう対応するかという点に、日本の銀行業界が、バブル時代に行った非常識極まる融資の過去とどう向き合い、そして顧客という存在をどう考えているのか、まさにそれが問われているのである。

銀行の担う金融業とは国民生活と深い関わりを持っているのであり、銀行が私たち家族に対し行ったように自身の社会的責任を全く放棄するような行為を平気でするという事実を広く社会に伝えなくては考えます。

それは日本では法律上銀行融資に関する規制がないという先進国では考えられない反社会的事態の上に起きたことです。それはこのブログを読む一人一人の消費者にとっても、いつ銀行被害者になるかもしれない、というとても身近な事態なのだということを是非ご理解頂ければと願っています。

最後にみずほ銀行の「詐欺まがい」の行為およびそれに付随した無責任・不誠実・強圧的な態度に対し、問題意識を共有し、協力してくださった全ての皆さん、そしてこのブログを読んでくださっている皆さんに感謝いたします。これからもブログは続けていきます。

ちなみに英訳してからは海外からも反響がきており、これからはこの問題を世界に向けて発信していきたいと思っています。
カテゴリー: 銀行被害
投稿者: webmaster
Asahi Shimbun 4/11/2007(one of the 3 biggest newspapers in Japan.)

We appreciate those who help for the translation!
記事の英訳に協力してくださった全ての皆さんに感謝します。

日本語版(Japanese edition)


Compensation for 'loan victim' - responsibility of banks as creditors
by Atsushi Yamada

'I would rather jump from the roof and commit suicide if our home is taken away,' said Mrs. A, nearly 90 years old, who will possibly be evicted from her own home before the New Year. Her home in Tokyo, is mortgaged to Mizuho Bank who has decided to sell it by auction.
‘Your house and land is worth 800 million yen. Unless you take preventative measures against inheritance tax, the house and land will have to be sold to pay the government.’ 20 years ago, a sales representative from Daiichi Kangyo Bank, which has merged to today’s Mizuho Bank, frequently visited Mrs A. He asserted that she should borrow money to buy property and / or investment in financial products to keep her home. She accepted a loan of 190 million yen based on the advice from the sales representative. Such large scale loans were later abolished, as these were said to have encouraged the financial ‘bubble’ experienced in Japan in the late 1980’s.

Mrs. A’s son and his wife, who also live in the family home, signed as joint guarantors. Following the recommendation of the bank, they purchased a flat as well as a variable life insurance policy. However, the income from the rent of the flat was not enough to cover the interest payments on the loan. ‘We have tried to raise the money every month and paid nearly 140 million yen. Nevertheless, the loan amount has not been reduced.’ The local branch manager who was in charge of this case was a friend of Mrs. A’s son and his wife from university. He had just been assigned to the new local office and used his connections for business opportunities. He is now retired and says ‘We worked very hard, in all good faith for our clients. The outcome was, unfortunately, a severe one, but the A family is after all responsible for their own decisions.’ Mr. A, is well aware of their responsibility to make the loan payments. However, the situation is unbearable. He wrote to Seiji Sugiyama, the Head of the Bank and said: ‘You have made a loan to my mother which is 320 times the amount of her annual income as a pensioner, without fully explaining all the risks. Once circumstances changed, you are telling us that we should give up our home, even though my mother is still alive and that the bank said the loan was in fact a measure against inheritance tax. We will be evicted from our home with no money left. Doesn’t it ever cross your mind about your responsibility as a lender? ‘
As a reply to this letter, the bank said they are ready for discussion, but are still asking for repayment of the loan and the A family’s home is still listed for auction.

The subprime loan crisis in the USA was also caused by excessive financing by banks which was done without considering the debtors’ financial ability. Along with pursuing creditor’s responsibility, the US government also provided financial support for both banks and debtors. Measures to strengthen financial regulations are also being considered. In Japan, the importance of maintaining trust and discipline was underlined and banks were rescued by public resources. Mizuho Group has completed its repayment to the public fund and decided to pay retirement allowances to all their former senior managers. Meanwhile, a million ‘victims’ of this type of loan have been neglected. Gou Egami, an author and former manager of Daiichi Kangyo Bank says : ‘If banks are really reflecting on their own mistakes, they should compensate their customers for what they have suffered.’

Although the Financial Instruments and Exchange Law to protect debtors has come into effect, bank loans are not yet covered.. Lenders’ liability is still unclear and consumers’ rights are still left in the dark.

カテゴリー: English
投稿者: webmaster
朝日新聞「経済」欄2005.04.27

「行員が来て「相続税だけで9億円はかかりますよ」と対策を勧めた。」
「バブルが崩壊した後も、毎月250万円を返していたが、「10億円の一括返済」を迫られ、・・・担保のビルや駐車場、自宅は競売され、それでも、UFJ信託は・・・破産を申請した。」

「「かつて銀行には、自宅を競売にかけるようなことは恥ずかしいこと、という節度があった」と旧第一勧銀OBの経営コンサルタント宮本孝さんは指摘する。担保を処理して回収しなければならない時は、お客を説得して売却に持ち込むのが常識だったという。いまや強制競売は日常の風景となり、その延長上に破産申請が始まった。」

みずほ銀行が私たちに対して行ってきたのも、これと全く同様のことである。銀行は相続税対策として融資を提案してきた過去について、一切の説明をしない。

本当に、どこのメガバンクもこういうやり方で市民の生活を破壊してきたのである。そして巨額の公的資金を受けながら、納税を免除されたままなのである。銀行の業績が奇跡的回復をした影に、このような社会的良識に反する取立てをしてきた事実が存在するのである。提携企業には巨額の債権放棄を一方でしておきながらである。

全銀協の宣言にはこうある。
「あらゆる人の人権を尊重しつつ、社会からの期待に真摯に応え、その社会的責任を果たすべく、不断の努力を払う」「社会的規範にもとることのない、誠実かつ公正な企業活動を遂行する。」

日本の金融を支えるメガバンクが自らが作った規律との矛盾など一顧だにせず、金に目がくらんだ一企業に堕していることを国民はもっと知るべきではないだろうか。銀行は私たち国民の税金で救済されているのだから。しかし銀行に非があっても、今の日本は銀行に罪を問う仕組みが全くといっていいほどないのである。
今日の朝日新聞でまた取り上げていただいた。
1度目はこちら。11月4日

江上剛氏の「街かど経済散歩」というコラムである。
江上氏は元銀行員である。江上氏プロフィール

2007.11/21 朝日新聞

『銀行に被害者救う責任』
以下全文
「 色々な新聞に金融危機から10年という特集が掲載されている。10年前といえば、第一勧銀や野村證券などの総会屋事件という未曾有の金融不祥事の後を受けて、長銀や日債銀などが破綻したころだ。その金融危機は、大手銀行に公的資金という名の税金が注入されたことで収束した。その結果、合弁や統合で三つのメガバンクが誕生した。
 私にGさんという方からメールが届いた。メガバンクに自宅を競売にかけられそうになっている窮状を訴えてこられたのだ。内容は悲惨なものだった。
 バブルの頃、大手銀行の行員が相続対策の借り入れを勧めた。Gさんは大学時代の友人であるその銀行の支店長に相談した。友人として適切なアドバイスを期待したのだ。友人は、年金収入しかない年老いたGさんの母親に約2億円もの貸し付けを行った。その後、バブルは崩壊、土地価格は下がり、相続対策は意味をなさなくなった。
 母親はまだ生きている。利息だけは払い続けて1.4億円にもなった。元金は減っていない。
 ある日、銀行は競売をかけてきた。Gさんと母親に家を出て行けと言ったという。銀行に掛け合ったが、「自己責任」と取り合ってくれない。確かに借りた責任はある。しかし、せめて母親にこの家で死なせてやりたい。その希望さえも銀行はぜいたくだと言うのだろうか。
 私の小説「異端王道」(東洋経済新報社)にも過剰貸し付けの被害者が登場するが、モデルとなった方は今も銀行と戦っている。
 銀行はこの10年で変わったか?そう問われれば、変わっていないと言わざるをえない。こうした過剰貸し付けの被害の庶民を、まるで厚労省が薬害被害者に対するように無視し続けているからだ。血税で救われた銀行は、知恵と愛情で被害者を救済する責任があるのではないだろうか。
 そして友人の方にも、心おきなく第二の人生を歩むためにGさんに救いの手を差し伸べてもらいたいものだが、どうだろうか・・・。」
金子勝「銀行・金融庁10年の罪業」『文芸春秋』2002.1 
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「80年代末から90年代はじめにかけての、アメリカのS&L(貯蓄貸付組合)や中小地方銀行の破綻処理では、一千人を超える経営者たちを裁判にかけ、刑事罰も含めて責任を問うた。その裁判プロセスに耐えうる厳格な査定を行った上で、はじめて公的資金を投入し得た。」
「なぜこの国だけが、きちんとした不良債権の査定を行い、経営責任を問い、金融当局の監督者責任を問うという、あまりにも当たり前のことができないのか。」
「事実、銀行トップは誰も責任を取っていない」

この論文は2002年のものである。その後の日本はいかに不良債権処理を行ったか。銀行経営者の責任0、金融当局の責任0のまま、公的資金という名の税金が70兆円銀行に投入された。一方、個人被害者は完全放置のまま、私たちのように全ての責任を負わされる。

海外では「貸し手責任」(レンダー・ライアビリティ)は重要なトピックである。論文もたくさんある。

日本でこれを論じているのは、椎名麻紗枝「銀行取引とインフォームド・コンセント」『レンダー・ライアビリティ 金融業者の法的責任』などがある。しかし、いまだこの考え方は日本で浸透しているとはいいがたい。「借りたら返せ」ではなく「きちんと貸さないなら返さない」という消費者側に立った考え方が今こそ必要である。
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